みなさんこんにちは。
僕は名無しさんのメルマガの読者です。
あたらしく匿名裏日記の読者を募集するにあたり、名無しさんから宣伝してほしいとお願いをされたのでこの文章を書いています。
どうしてご自身でお書きにならないのですかと聞くと、自分の商品を自分で宣伝するのは気持ちが悪いと仰るので、確かにそうかもしれないと納得して、この文章を書かせていただいています。
とはいえ皆さんは僕を知りませんし、僕も皆さんが誰かを知りません。
なので誰も僕には興味がないとは思いますが、自分もまた皆さんと同じように、名無しさんに興味を持った人間なので、どんなやつが名無しさんのメルマガを購読しているのか、あるいは、読者の立場から見た名無しさんについて正直に書いてみようと思いますので、ぜひご覧になってみてください。
僕は今現在25歳で、神奈川の実家で暮らしながら、昼は近所にあるパチンコ屋でアルバイトをしながら、夜は実家の家事を手伝ったりして過ごしています。名無しさんのように珍しい経験をしてきたわけでもなく、名無しさんのように物事を面白く考えられるわけでもない、ただ普通の、一般的な男だと思います。
いまは「一般的」であることを受け入れていますが、世の中には才能がある人がいたり、特別な立場の人たちがいて、名無しさんと出会う前の僕は、そうした存在になりたいと思っていましたし、少しでも近づくことができたらと願っていました。
なんせ人生が面白くない。
子供の頃の僕は勉強が嫌いだったというより、友達と遊ぶことが何より好きだったので、よく親からは遊んでばかりいないで勉強しなさいと叱られていましたが、不真面目なタイプでもなかったので、中学生までは何の不安もなく過ごしていました。
高校に進学するタイミングになると、志望していた公立高校に落ちてしまい、私立の高校に進学することになりました。子供の頃から遊んでいた友達は志望校に受かっていたので、自分だけ別の高校に行かなければいけない、どうして自分だけこうなったのかという気持ちになり、人生ではじめて挫折という気分を覚えました。
それから高校で友達をつくることをせずに、家から飛び出して毎晩のように地元の友達と遊びながら、学校には寝る為に行くような生活を送っていましたから、どうしたってお金が必要になってきます。
とはいえ親には迷惑をかけたくありませんから、焼き肉屋でアルバイトをしはじめたんですが、どうにもこうにもお金が足りないんですよね。
そうすると頭の悪いぼくはギャンブルをするようになります。
学校が終わるとパチンコ屋に入り浸るようになり、スロットを回して勝ったり負けたりをして遊んでいると、ある日、ものすごく当たったんです。
焼き肉屋でどれだけ頑張っても稼げない金額を手にした僕は興奮しました。
それは挫折とは真逆の気持ちでした。
これは食えると思いました。
そこからは学校にも行かずにスロットにのめり込み、自然に友達からの誘いも断るようになって、家とパチンコ屋を往復する日々を送るようになります。
ある日、親が僕を叱りました。
「頼むから学校にだけは行きなさい」
僕はその言葉に無性に腹が立ちました。
「学校に行かなくたって稼げるからいい」
たしかにそう言ったことを覚えています。
それを聞いた父親は僕を殴りましたが、すでに父親よりも稼いでいた僕は、反抗することもなく、ただ父親の顔を哀れだと思いながら見ていました。
「そんなに人生は甘くないぞ」
いま思えば父親の言葉が正しいと分かりますが、その言葉とは相反するように稼げる金額が増えていき、高校を卒業する頃には500万円ほどの貯金ができていました。
恥ずかしい話、自信が持てた。
大学には入学しましたが就職して働こうとは思いませんでした。
なんせ自分が特別だと思っていましたから、そんな自分が普通に就職してどうするんだ、父親のように退屈な人生を歩むだけじゃないか、誰にも頼らないで自分の力だけで生きていける。
当時の僕は真剣に、そう思ってました。
ところが問題が起こります。
警視庁がギャンブルに関連する条例の規制強化を実施したことを受け、その影響からこれまで通りに稼ぐことができなくなったのです。
それでもしばらくはスロットを打ち続けていましたが、これなら普通に働いたほうがマシなレベルまで稼ぎが落ち込んでしまい、どうしたものかと、このままではいけないと思いました。
そんなときにネットで稼ぐ人たちが目に映りました。
いまはホリエモンがメルマガで稼いでいたり、ヒカキンが動画で稼いでいたり、ブログなどで稼ぐ人は珍しくありませんが、当時はまだネットで稼ぐということが当たり前のことではありませんでした。
「好きなことで稼ごう」
「自由に生きていこう」
まるでそうしたスローガンが自分に向けられているように感じて、怪しい教材を買い漁るようになり、高額な自己啓発のセミナーに参加するようになったり、知りもしないユダヤ人が言ったであろう言葉が書かれた本を読んでみたりして、そうした姿を知った友達はどんどん離れていきました。
「必ず、成功する」
当時は中古買取の店舗で本やゲームなどを安く買って、アマゾンに転売して稼ぐことが流行っていたので、ご多分に漏れない僕はいつしか大学を中退して、パチンコで稼いでいた頃と比べれば大したことではありませんが、幸いにも同世代の初任給よりは稼げるようになりました。
ところが転売で利益を出せば出すほど、不安が募っていきました。
なんせ転売は僕にできることですから、言ってしまえば誰にでもできることなので、僕と同じような普通な人が増えれば稼げなくなるし、転売が一般的になればなるほど競争が激化していくからです。
そしてその不安が恐怖に変わるまでにそんなに時間はかかりませんでした。
これはどんな職業にも言えることだと思いますが、転売の世界における競争とは、いかに安く商品を仕入れるかという点と、いかに高く売れる商品を見つけるかに集約されていきます。
資金力で商品を安く仕入れる企業には負けてしまうし、高く売れる商品を見つけるプログラムには勝てません。
ようするに、無理です。
でも生活ができてればいいだろうし、そんなに稼がなくてもいい。
普通に暮らせればそれでいい、特別にならなくてもいい。
そう思えば続けられたかもしれませんが、そう思おうとする自分に対して、そんな甘くないだろという声が聞こえてくるようで、そこでやっと父親の言葉にはっとさせられた自分がいました。
好きなことをして自由に最大限に生きていきたいという思いが、いつしか普通の生活ですら難しいことのように感じるようになっていたのです。
まだ二十代になったばかの僕には、この先に続くであろう人生が、まるで暗くて長くて冷たい洞窟のように感じて、だんだんと恐ろしくなってしまいました。
持っていたはずの自信も自然と消えていました。
そんなときにある人のメルマガに名無しさんが登場しました。
いまから4年くらい前でしょうか。
当時の名無しさんのメルマガはよく覚えています。
でも具体的なノウハウが書かれているわけではありませんし、ああすればこうなりますよというテクニックが書かれているわけでもなく、ただ名無しさんの身の回りで起きたことに対して、名無しさんがどう考えたかが書かれていました。
たとえば個性を伸ばせという風潮が社会にあります。
名無しさんは個性を「変えられないもの」と定義していました。
変えられないことは仕方のない事です。
あるいは仕様がないものです。
なので名無しさんからすれば血液型は個性になります。
血液型は変えることができないからです。
それを社会がどう伸ばしていくというのか。
もし本当に個性的であることが良い事であるなら、障碍者施設に行ってみるといいと名無しさんは言います。
名無しさんは父親が脳に障害を負った際に、知的障害者施設の廊下で男の子に小便をかけられ、覗き込んだ部屋には壁に大便を塗りたぐる女性を見たらしく、そうした人たちのほうがよっぽど個性的であって、そうした人たちがいることは仕方のないことだとも言っていました。
もし社会が本当に個性を尊重するのなら、彼らのことはどう考えるのでしょう。
あるいは自分がそちら側にいく可能性もあります。
名無しさんの父親は東京大学で名誉教授をしていたそうです。
それがある日突然、自宅にて倒れてしまう。
緊急搬送されて意識が戻った時には個性的になっていたそうです。
もしかしたら明日には僕もそうなってるかもしれない。
ネットで稼ぐために登録したメルマガばかりだったので、名無しさんの話は他のものとはあきらかに違う何かを感じましたし、まるでお坊さんの話でも聞いているかのようでした。
いつしか僕は名無しさんのメルマガを読み漁るようになります。
名無しさんがラオスの森で虫を捕まえに行った話、ロンドンの博物館で友達と標本を見た話、スイスのコンビニで老婆が大麻を吸っていた話、友達の看護師がキャバクラ嬢になった話、小学生の時にハッキングをして怒られた話、香港で中国の偉い人に寿司をご馳走になった話、おばあちゃんのお遍路に付き合った話。
もっとたくさん面白い話があったと思います。
そのどれもが名無しさんの知識ではなく経験によって書かれています。
だからサプリメントのように飲めばいいものではない。
よく噛まないと飲み込めないこともあります。
それまでの僕はネットで沢山の知識を集めようとしていました。
そのたびに経験をすることから逃げていたような気がします。
ある日のメルマガにこう書かれていました。
「知識で分かることは、経験において変わる」
この言葉は僕の父親のあの言葉と同じだと思いました。
「わかる」は「かわる」
これは僕にとって完全に盲点でした。
それからは名無しさんのメルマガを読んで、その感想を送るようになり、台湾に留学してみたり、大嫌いなゴキブリを飼育してみたり、近所のおじさんの畑作業を手伝ってみたりして、傍からみれば意味の分からないことをしていましたし、家族からも不思議に思われたりして、気が付けばアマゾンで転売することもやめていました。
これらすべて名無しさんに言われてしたことです。
名無しさんのメルマガを読んだところで金持ちにはなれませんし、明日には役に立つような内容ではないのかもしれませんが、それでも僕は名無しさんのメルマガを購読しています。
いわゆる世間からすれば僕は実家暮らしのアルバイトです。
でも自分の経験と変化を楽しめています。
「何を信じていいかわからない」
もしかするとそれは経験不足なのかもしれません。
というか、僕がそうでした。
インドに行って沢山の生き方や考え方を見ましたし、タイでレディーボーイに犯されたり、ベトナムで女の子からプロポーズされたり、香港のキャバクラでスタッフをやってみたり、こんなことが起こるなんて数年前には想像もしませんでした。
いまはパチンコ屋でアルバイトをしながら必要なお金を貯めて、今年の春先からはインドや東南アジアに行きながら、中国語を生かせる求人を現地で探してまわろうかなと考えています。
こういう僕の姿をみなさんはどう思いますか。
若いから、時間があるから、お金があるから。
たしかにそうです。
でもそうじゃない人には、そうじゃないことができます。
名無しさんのメルマガは体験や経験をもとに書かれています。
だから何が正解かなんて関係ありません。
今の世界で何が起こっているのか、今の世界がどっちに行くのか。
読んでいると本当に気持ちがいいんです。
テレビではこう言ってるけど、実際はこうだったよとか。
それらはネットで検索しても出てこないものばかりです。
きっと皆さんの頼りになるメルマガだと思います。
この文章をきっかけに読んでくれたら僕もうれしく思います。
ありがとうございました。
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